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酒の池

雪の降る寒い晩、杖をついた乞食が歩いていた。あっちの家こっちの家と物乞いするが、どの家からも断られた。
二年続きの飢饉のため、どの家も施しをするだけの余裕がないからであった。乞食は道の真ん中に崩れ落ちるように座り込んでしまった。
そこへ、みすぼらしい老人が通りかかり、乞食に声をかけたが返事がない。空腹のために声も出せない有様だった。老人は「おらん家へ行くべ。何か食わしてやらぁ」と言って、乞食を支え、家に連れ帰った。
老人の家は村はずれの掘っ立て小屋だったが、乞食には温かい住まいだった。「すみません」というと、乞食は手を合わせた。
二人は暖を取りながら、僅かな粟に野草を混ぜた雑炊をいただき、老人は「一杯かぎりしかねぇがな。これで酒でもありゃあ」と言った。
すると、乞食は「酒が好きか」と聞いてきた。老人が「酒がありゃあ、何もいらねぇ」と笑いながら言うと、乞食はスッと立ち上がり「ちょっと待ってろ」と言って、老人が止めるのも聞かず出て行った。
しばらくして、老人は一升徳利に酒を詰めて帰ってきた。その酒の美味いこと。この近辺では味わえない美酒だったが、どこから持ってきたものか不思議になった。
乞食は、それを察して「情け深い爺さんよ、この酒は盗んできたもんじゃねぇ。稲荷様の池から汲んできたんじゃ。お前さんであれば、いつでも好きなだけ飲める。
だがな、これはお前さん一人のもんじゃ。他のもんに汲んでるとこを見られてはならんし、話してもならん。それだけは忘れるなよ」といって消えた。
翌日、乞食の言ったように、稲荷の池に行くと確かの酒の池になっていて、幾らでも汲んで飲むことができた。
また、その酒のおかげで、飢饉続きだった村も元気に暮らすことができた。ただ、誰に何を聞かれようと、老人は池のことを話さなかったが、日増しに秘密にしていることが辛くなってきた。
そして、ある豊作の年。村も潤い、豊年満作の祭りに老人も呼ばれ、多くの酒を用意した。
そして、村人に酒のことを聞かれ、豊作の気の緩みと酔った勢いから、老人は酒の秘密を話してしまった。
村人は一斉に池へと駆けて行き飛び込んだが、すでにただの水となってしまっていた。老人はもう酒が飲めないのかと少しガッカリしたが、胸のつかえが取れたような晴れ晴れとした気分になったとさ。
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