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深んぼのすげがさ

ある村に、他所から若い嫁さんがやって来た。
若い嫁は、まだ野良仕事に不慣れなため、いつも姑に小言を言われていた。それでも嫁さんは一生懸命に働いた。
やがて田植えの季節となった。この時期は何時にも増して忙しく、嫁さんは皆が家に帰っても田んぼで田植えを続け、嫁さんが家に帰るのは日が暮れて空に月が上がってからだった。
田植えは辛かったが、嫁さんを待っていたのは優しい夫で、遅くに戻る嫁さんの為に、そっと風呂を沸かしてくれた。そんな小さな幸せを頼りに、嫁さんは毎日重労働に耐えていた。
さて、忙しい田植えもようやく最後の日となった。田んぼには全部苗が植わり、残すはそれまで苗を育てていた苗代田(なわしろだ)の深んぼだけとなった。
深んぼとは、もともと泥沼だった場所に丸太や竹を縦横に沈めて足場にした田んぼだ。無論、足場を踏み外せば、それっきり浮かび上がって来れない底なし沼だ。
これくらいの田んぼの田植えならすぐに終わるだろうと思い、夫思いの嫁さんは夫を家に帰らせ、一人で深んぼの田植えをしていた。
しかし深んぼの足場は悪く、思うように仕事が進まない。田んぼを月が照らす頃になり、ようやく田植えが終わろうとしていた。
ところが、嫁さんが最後の苗に手を伸ばした時だった。嫁さんはよろけて足場を踏み外してしまったのだ。
夫は、嫁さんの帰りがあまりにも遅いので、家を抜け出して深んぼに迎えに行った。すると、煌々と月に照らされて、嫁さんがいつも被っていたまだ新しい菅笠だけが、ぽっかりと深んぼの真ん中に浮かんでいた。
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